審査していただいた先生方

「WE LOVE トンボ」絵画コンクール最終審査会 総評

今回で35回目を迎えた「WE LOVE トンボ」絵画コンクールは、新型コロナウイルス感染症によるさまざまな影響を受けて、昨年より応募者が少なかったことが残念でなりません。家庭での暮らしはもちろん、学校生活のあり方や休日の過ごし方など、自由にやれないことが多く、じっくりと絵を描くことができなかったかもしれませんし、トンボを実際に見ることも少なかったのでしょう。それでも10万点を超える応募作品が寄せられ、それぞれの子どもたちの熱心な気持ちが伝わったことに、審査員一同、深く感動しました。全体的な印象として、寄せられた作品には、はっきりとした変化がありました。ここ数年、感じてはいましたが、特にインターネットやアニメなどの新しい世界からの情報が作品にも関係していると思いました。また、絵を描くテクニックはますます上達して、構図などのアイデアもよく考えられています。昔風の風景を取り入れたり、アニメ風のキャラクターを登場させたりするのも、おもしろいと思いました。しかし、トンボそのものが作り物みたいで、いきいきとした感じが少ないような気がしました。やはり絵を描く前に、一度はトンボのいる場所に行って生きた本物を観察してほしいものです。実際に自分の目でトンボを見つけた環境や、飛んでいる時の様子などを見て体験し、感動することが大切です。新型コロナウイルスに感染しないよう、予防をしっかり行って、出かけることをためらわないでほしいと強く願っています。

奥本 大三郎さん
審査委員長
作家、ファーブル昆虫館 館長
奥本 大三郎さん

トンボ絵画コンクール最終審査会 審査員
  • 奥本 大三郎(審査委員長 作家、ファーブル昆虫館館長)
  • 本郷 寛(審査副委員長 東京藝術大学名誉教授)
  • 東良 雅人(文部科学省初等中等教育局視学官)
  • 安西 正浩(環境省自然環境局野生生物課課長補佐)
  • 荒井 篤(東京都立東大和南高等学校副校長)
  • 飯田 哲昭(神奈川県愛川町教育委員会主幹兼指導主事)
  • 竹内 とも子(東京都千代田区立九段小学校指導教諭)
  • 喜多 英人(日本トンボ学会)
  • 新沼 光太郎(公益社団法人 トンボと自然を考える会理事)
  • 奥山 義則(株式会社トンボ取締役東京営業管理本部本部長)
  • 石神 和美(朝日新聞社東京本社 CSR担当補佐兼CSR推進部長)
  • 葛原 徳昭(朝日学生新聞社代表取締役社長)