トンボでは定期的に学校様へ制服リニューアルに関する取材を実施し、制服を通して学校の未来を見つめる先生・生徒向け情報誌「SCHOOLER REPORT View 」(スクーラーレポートビュー)を定期発刊しています。
今回はそのスクーラーレポートビューから、記念すべき1回目として2023年11月に取材させていただいた浦和実業学園中学校・高等学校様の【生徒が自分らしくいられる】制服リニューアルと学校ブランディングについてご紹介いたします。
|埼玉県さいたま市
浦和実業学園中学校・高等学校
1946年に珠算・簿記を指導する私塾として創立されました。1963年に高等学校、2005年に中学校が設置され、現在は中学校(中高一貫部 以下:「一貫部」という)と高等学校を擁しています。募集定員が埼玉県最大級の大規模校で、 制服リニューアル と学校ブランディングについて取材しました。
※本記事は2023年11月にトンボが発刊した、制服を通して学校の未来を見つめる先生・生徒向け情報誌「SCHOOLER REPORT View Vol.01」に含まれる学校取材をWEB版としてアーカイブ掲載したものであり、掲載内容は2023年当時の内容です。
「徳」を育む建学の精神を、生徒にとって身近な制服で表現。

本学は、創設者である久里總一郎先生の「実学に勤め徳を養う」を建学の精神として学力の向上はもとより「徳」を養う教育を基本としています。
徳を養う過程では、制服の着こなしも大切な学びの要素です。
立ち居振る舞いや身だしなみに気を配ることは、自分への評価を左右するだけではなく、相手を敬うことにも繋がります。
とくに本校は国際交流や部活動にもチカラを入れていますので、人前に立つ機会や、イベントに参加する機会が多くあります。
そうしたとき、どんな服装で・どんな着こなしで相手の目に映るのが好ましいでしょうか。
私たちはいま、75周年という節目を超えて、まさに学校のリブランディングを進めているところです。教育内容や校舎を新しくしていくことに加え、生徒たちにとって何より身近な制服を通じて、建学の精神を体現できればと考えたことが制服リニューアルのきっかけでした。
着崩す生徒が減り、背筋が伸びて明るい印象に。
少子化や近隣校の共学化が進むなか、今の時代に合わせた魅力付けや、浦和実業学園の想いを明確にする必要がありました。
ブランディングにあたっては市場調査や教員・生徒のヒアリングを行い、本校だからこそ提供できる教育を追求しながら、ロゴやスクールカラーを定めて行ったのです。

例えば新しいスクールマークは、イニシャルの「UJ」が3本の線で構成されていますが、これは校章に象られた「知育・徳育・体育」を表す「3つのペン」に由来しています。
3つのペンで引かれた線が、未来へ向かって伸びていく。浦和実業学園の過去と未来が、ロゴとしてカタチになっているのです。
これまではどちらかといえば装飾的なロゴを使用していたため、実は第一印象ではモダンなデザインに馴染めなかったのですが、できるだけ多くの企画にこの3本線を取り入れることで今ではこのスクールマークに慣れ親しんでいます。
制服にもこのモチーフがかならず取り付けられています。
たとえば「UJ」ロゴは、ブレザー・シャツ・ベスト・セーターに刺繍やワッペンとしてあしらわれていますし、ネクタイ・リボン・スカート・パンツの柄は、全て3本線で構成されているんですよ。
一つひとつにこだわることで、教職員の意識統一・方向性の共有にもつながったと思います。
特にスカートはエンジ色のスクールカラーに白の3本線が映え、デザインとしても秀逸で、生徒や保護者の方からも大変好評です。
中学校と高校では柄が異なりますが、どちらにおいても何度も布見本をつくっていただいて、これしかない!という仕上がりになったと感じています。

また、10代の体型データをもとに黄金バランスでデザインされた柄は、スカートを折ったり切ったりすると、不思議と格好良く見えません。
このバランスはスカートに限らず「正しく身につけたときに最も美しく映えるデザイン」となっているので着崩す生徒が全体的にかなり減りました。まさに、徳を育むための制服になってくれているのです。
学内ではもちろんですが、通学時など、学外で生徒を見かけたときの印象も変わったように思います。
背筋が伸びて、明るい印象になりました。
今は1年生だけ※ですが、全生徒が新しい制服を身につけた様子を想像すると、これからがとても楽しみになります。
※2023年取材当時
生徒の個性を活かしつつ、ブランディングを促進する制服が完成。

リニューアル前の制服は、高校の男子制服が約70年続く詰襟・女子制服が約30年続く紺のブレザーで、後からできた中学校(中高一貫部)は男女ともにグレーのブレザーでした。
高校の制服は伝統とも言えますが、現代の文化や国際化の流れにはそぐわず、実は学校のブランディングに先駆けてリニューアルを検討していました。
ブランディングを行ううえで注意したのは、一貫部は中学校・高校で統一感をもたせ、一貫部と高校の差別化を図ることです。
本校では旧制服の色味を継承し、高校は紺ベース、一貫部はグレーベースで新制服をデザインしつつ、ネクタイやリボンは共通に。
スカートは生地にエンジ色を織り込むことで、ベースの色が違っても同じ印象に映るよう仕立てていただきました。
現在は新柄として一貫部の高校用スカートも検討中です。
また、中高どちらも生徒の多様性を大切に、ネクタイとリボン、Yシャツとポロシャツ、スカートとスラックスなど、アイテムを自由に選んで身につけられるようにしています。
生徒たちはその日の授業内容や天候に合わせて、自分らしい装いを楽しめるようになりました。


本記事は2023年11月にトンボが発刊した、制服を通して学校の未来を見つめる先生・生徒向け情報誌「SCHOOLER REPORT View Vol.01」に含まれる学校取材をWEB版としてアーカイブ掲載したものであり、掲載内容は2023年当時の内容です。
また、10代の体型データをもとに黄金バランスでデザインされた柄は、スカートを折ったり切ったりすると、不思議と格好良く見えません。
このバランスはスカートに限らず「正しく身につけたときに最も美しく映えるデザイン」となっているので着崩す生徒が全体的にかなり減りました。まさに、徳を育むための制服になってくれているのです。
SCHOOLER REPORT View
トンボでは、今回ご紹介した浦和実業学園中学校・高等学校様の制服リニューアルに関する学校取材はもちろん、トレンドや社会状況に合わせた【最新の気になる】制服事情が掲載された情報冊子を先生向けにご用意しています。

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