今回で35回目を迎えた「WE LOVE トンボ」絵画コンクールは、新型コロナウイルス感染症によるさまざまな影響を受けて、昨年より応募者が少なかったことが残念でなりません。家庭での暮らしはもちろん、学校生活のあり方や休日の過ごし方など、自由にやれないことが多く、じっくりと絵を描くことができなかったかもしれませんし、トンボを実際に見ることも少なかったのでしょう。それでも10万点を超える応募作品が寄せられ、それぞれの子どもたちの熱心な気持ちが伝わったことに、審査員一同、深く感動しました。全体的な印象として、寄せられた作品には、はっきりとした変化がありました。ここ数年、感じてはいましたが、特にインターネットやアニメなどの新しい世界からの情報が作品にも関係していると思いました。また、絵を描くテクニックはますます上達して、構図などのアイデアもよく考えられています。昔風の風景を取り入れたり、アニメ風のキャラクターを登場させたりするのも、おもしろいと思いました。しかし、トンボそのものが作り物みたいで、いきいきとした感じが少ないような気がしました。やはり絵を描く前に、一度はトンボのいる場所に行って生きた本物を観察してほしいものです。実際に自分の目でトンボを見つけた環境や、飛んでいる時の様子などを見て体験し、感動することが大切です。新型コロナウイルスに感染しないよう、予防をしっかり行って、出かけることをためらわないでほしいと強く願っています。